●上咽頭炎
沈黙の臓器の一つといわれる腎臓。腎臓と上咽頭炎(喉のあたりの炎症)の関係は深いみたいです。この上咽頭炎が改善されると、様々な病気が改善されます。タバコは上咽頭炎を悪化させます。
「腎臓病を治す本」より抜粋。
●喫煙者の慢性上咽頭炎は治らない
私の印象では、喫煙者の大半が重い慢性上咽頭炎を患っています。
タバコの煙には、現在わかっているだけでも4000種以上の化学物質が含まれています。そのうち、有害物質が200種を超え、発がん性物質も40種近くあります。
タバコを吸うとその煙が口内に充満し、上咽頭の粘膜に刺激を与えます。その結果、刺激を受けた繊毛上皮細胞やリンパ球が反応し、上咽頭炎を悪化させるのです。
扁摘(へんてき)パルス※を行っても血尿が消えないIgA腎症※の患者さんは、喫煙者の割合が高い傾向にあります。
IgA腎症以外でも、喫煙の習慣がある糖尿病の患者は、喫煙していない患者に比べて糖尿病性腎症を発症するリスクが2~3倍に高くなることが報告されています。また、禁煙と慢性上咽頭炎の徹底的な治療によって、膜性腎症(まくせいじんしょう)※が改善した患者さんもいます。腎臓のために、何はともあれ禁煙しましょう。
※扁摘パルス=扁桃(へんとう)を摘出+ステロイドを併用する療法
※IgA腎症=慢性糸球体腎炎(まんせいしきゅうたいじんえん)
※膜性腎症=IgA腎症と同じ、ゆっくり進んでいくタイプの腎臓病
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