●ターメリック
ターメリック(ウコン)はショウガ科に属する、カレー粉を黄色くする香辛料であり、とくに脳に効能をもたらすものとして盛んに科学研究の対象とされている。そしてその多くが抗炎症や抗酸化作用を認めており、これらは有効成分クルクミンから生じる。
クルクミンは昔から中国やインドのアーユルベーダの医薬品として、何千年にもわたって用いられてきた。
抗酸化や抗炎症、抗真菌、抗殺菌作用がよく知られているが、とりわけ脳に新しい神経細胞(ニューロン)をつくるのに重要な役割を果たすBDNFというタンパク質を増加させるという点が注目されている。
ターメリックを大量に使用する地域では認知症にかかる人の率が著しく低いのだが、それが多くの科学者たちの関心の的になっているのだ。
米国疫学雑誌の「アメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー」の報告において、研究者は高齢のアジア人のカレーの摂取程度と認知機能との関係を調べた。
カレーを「ときどき、しばしば」食べるグループは「まったく、あるいは、めったに」食べないグループより、認知機能を測るテストでかなり高得点を取った。
このクルクミンには、ミトコンドリアの保護に役立つ幅広い種類の抗酸化物質を生成する遺伝子を活性化させる能力があることがわかっている。また、ブドウ糖の代謝も改善する。こうした性質はどれも脳疾患のリスク低減につながる。
(「いつものパン」があなたを殺す)
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