●クロストレーニングで速くなる!
走行距離を抑えて故障を防ぎながら、最大酸素摂取量、無酸素性代謝閾値、ランニングエコノミーというマラソンの3要素を高める。それを実現するメソッドが、ランニングと自転車を組み合わせた「クロストレーニング」です。
ランニングと自転車には何の関係もないように思われるかもしれませんが、このように「専門とするスポーツの競技力を向上させるために、他のスポーツ、あるいはトレーニングを行う」ことをクロストレーニングと呼びます。
内外の長距離ランナーにも、クロストレーニングの実践者は多くいます。
世界的に有名なのは、女子マラソンの世界最高記録保持者であるポーラ・ラドクリフ選手でしょう。
ラドクリフ選手は、週1回、冬場はクロスカントリースキー、それ以外の季節はクロスカントリースキーのマシンを使ったトレーニングを行っています。また、2011年の世界選手権で女子マラソンに出場予定の野尻あずさ選手(第一生命)は、つい3年前までクロスカントリースキーの選手として活躍していました。
クロストレーニングに自転車を取り入れた例としては、90年代を代表する女子長距離ランナーであるソニア・オサリバン選手がいます。
彼女は妊娠中から出産後にかけてのランニング量の低下を補うために、自転車トレーニングを導入。第一子を出産後、わずか3ヶ月でレースに復帰。翌年のシドニーオリンピック女子5000mで銀メダルに輝きました。
日本の谷口浩美選手も、バルセロナオリンピック前に故障(疲労骨折)をして走れなくなった時期に、およそ2ヶ月間にわたり、水中ランニングや自転車トレーニングを行ってランニング量の不足をカバー。オリンピックのレース本番では、8位入賞を果たしました。
クロストレーニングは、オサリバン選手や谷口選手のケースで見られるように、故障などでランニングできない際の「代替手段(次善の策)」として実践されることが多いようです。
(「毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる!」)
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