●ビタミンはじつは動物性に多い
ビタミンA不足は農耕革命以降に現れた病態です。
粘膜の形成に必須のビタミンAが不足するとドライアイになり、ひいては失明してしまいますが、実際に世界の子供の失明の主要な原因が食事からのビタミンA不足なのです。また、ビタミンAは感染症にも効果があります。
ビタミンAは、主に果物、野菜からベータカロテンという前駆物質の形で摂取され、肝臓で合成されます。
また、動物性のものとしては肝臓などの内臓に豊富に含まれている物質です。現代食では、穀物中心になり、野菜・果物・内臓肉などが隅に追いやられてしまったため、ビタミンA不足という事態を招いているのです。
ビタミンB不足も農耕革命以降に起こった問題です。一般的には穀物にビタミンBが豊富に含まれていると思われていますが、肉類、野菜、果物に比べれば、同じカロリーあたりでは少量しか含まれていません。さらにビタミンBの吸収率は、肉類(100%吸収)に比べて植物は5分の1程度です。
(中略)
全粒粉穀物や豆類にはビタミンBの吸収を阻害するピリドキシン・グルコサイドという「抗栄養素」が含まれています。
ピリドキシン・グルコサイドが含まれていると、約3分の2のビタミンBが吸収されなくなります。実際にネパールのベジタリアンの女性を調べた研究では、穀物・豆類中心の女性にピリドキシン・グルコサイドの血中濃度上昇およびビタミンBの血中濃度低下が報告されています。
(「間違いだらけの食事健康法」)
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