マラソンなどの競技をやり過ぎると貧血になる場合が多いです。
一度貧血になると回復するのに1~3ヶ月かかる場合がありますので、日頃から食生活などを気を付け、練習量が過度にならない工夫が必要です。
「スポーツ貧血」よりQ&Aを抜粋。
Q:「貯蔵鉄」について詳しく教えてください。
A:身体のなかにある鉄分というのは、その3分の2がヘモグロビンとくっついて血液のなかにあります。それ以外に、鉄分が不足してきたときにすぐ補えるように蓄えられている鉄分というものが体内にあって、これが「貯蔵鉄」と呼ばれています。
貯蔵鉄は身体のなかの至るところに蓄えられています。多いのは肝臓内で、ほかにも骨髄、骨、脾臓、膵臓、腸の壁にもタンパク質と結合した「フェリチン」という形で存在します。
Q:鉄分補給のためにサプリを摂りすぎると、何か問題はありますか?
A:サプリメントや飲み薬の鉄剤であれば、あまり気にしなくていいと思います。というのは、サプリメントや鉄剤は飲んだあとに鉄分が腸から吸収されるわけですが、その吸収率があまりよくない(5~20%程度)といわれています。また、体内に十分な鉄分が備わっている場合は、さらに吸収率が下がるともいわれています。ですから、飲みすぎにより悪影響を及ぼすというところまでには至りません。
ただし、注射には要注意です。吐血や下血などによって急激に貧血が進行してしまった場合に限り、鉄剤の注射を打つことはありますが、少々の貧血の症状、アスリートが貧血になったからといって鉄剤の注射をしてしまうと、腸から吸収することで身体への悪影響をカバーするという段階を無視して、血液の中に直接注入してしまうので鉄過剰状態を引き起こす危険性があります。
鉄はヘモグロビンに欠かせないものではありますが、それ自体は細胞毒性がありますので、多くなりすぎると悪影響があります。特に、フェリチンとして肝臓に蓄えられている量が多いので、鉄が多くなりすぎると肝機能障害を起こすことがあります。
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