「がん」になる人が多い世の中ですね。なったら病院へ行くから大丈夫♪と思っている方々、こんな治療をするみたいですよ。
●抗がん剤でがんは治らない
がん治療において、一般の人たちが大きく誤解しているのが抗がん剤についてです。
がんの治療の基本は、手術、放射線、化学療法(抗がん剤)です。がんのかたまりがある場合には、まず手術をおこなって除去し、取り残しがある場合には放射線をかけ、さらに抗がん剤治療をおこないます。
こういう三段階の治療をおこなうこともあれば、放射線がよく効く種類のがんであれば、最初に放射線を、抗がん剤が著効とみられる種類のがんには、まず抗がん剤治療をおこなうこともあります。
抗がん剤に話を戻すと、医師は、その効果について、「効く」とか「効かない」という言い方をします。
この言葉には医学的な意味があります。つまり、どういうことかというと、がんが少しでも縮小したら、「効いた」ということです。あるいは、従来の抗がん剤を使った場合には三ヶ月後には再発が発見されたが、新しい抗がん剤を使用したら、半年後に再発をした。つまり、再発するまでの期間が三ヶ月延長したわけですが、この場合も、「効いた」と判定します。
このように、治るか治らないかということとは別の評価の下に治療をおこなっているわけです。それなのに、患者さんの側は、治癒を期待して、抗がん剤治療を受けます。
しかも、一般論としてですが、抗がん剤ではがんは治りません。細かい説明は省きますが、一部に抗がん剤がよく効く種類のがんがありますが、抗がん剤だけで治癒するのは不可能です。
また、抗がん剤にも、さまざまな種類があります。たとえば、二種類を選んで併用する場合もあります。どれかを使ってみて、効果が得られなかったら、他の種類のものに変えたりします。
つまり、効果的に用いる必要がありますが、抗がん剤の専門医といわれる医師は、日本にはまだ少なく、これから育成していこうという段階です。
では、誰が抗がん剤を投与しているかというと、たいていは外科医です。彼らは、抗がん剤の専門家ではないので、製薬メーカーのデータに基づいて使用しているだけです。
抗がん剤ではがんは治らない、という認識をしっかり持っておく必要があります。延命治療という名の下、抗がん剤治療をいつまでも続けると、最期は悲惨な状態になります。その結果は、がんで亡くなるのではなく、抗がん剤によって死亡します。
抗がん剤治療を受けても、運良く助かる人はいるでしょう。しかし、多くの人が亡くなります。
五年生存率50%という数字は、五年死亡率50%ということでもあるのです。抗がん剤による副作用死もかなりの数になることも、しっかりと認識しておきましょう。
なお、抗がん剤の副作用死と関連してのことですが、六十歳以上でがんが発見されたら、治療は何もしないほうがいいと堂々と主張する医師も今ではいます。
(「幸せな最期」)
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