●膝関節を痛めない体の使い方
膝関節の痛みは、関節をぶつけたり捻ったりしていない限り、膝関節痛は股間節と足関節の使い方が大きな要因となっています。人が立って歩いている以上、常に股間節、膝関節、足関節の三関節は連動し、同時に動いています。大切なのは、連動を上手に行い、力を無駄にしないことです。こうすることで、障害予防になるだけでなく、疲れにくい体の使い方を身につけることもできます。
三関節の正しい連動とは、どのようなことでしょうか。その一つの例は、膝の屈伸運動を行う際に、つま先と膝の方向がほぼ一致しているということです。歩いているときに、つま先が、やや外を向いていると感じている人は多いと思います。しかし、大切なのは歩行時のつま先の方向というよりむしろ膝とつま先の位置関係です。つまり、つま先が外を向いていても、膝も同時に外を向いていれば、膝の問題とはなりません。反対に、つま先はまっすぐでも、膝が内側を向いていたら、膝に大きな負担となるでしょう。
膝とつま先の方向を同じにすることは、力を有効に使うことにも大変重要です。相撲のような押し合いを、膝と足の方向を一致させた場合と、そうでない場合とを行ってみてください。力の入りやすさの違いがよく分かります。体から出している力は同じなのに、相手に伝わる力は違うのです。このことは、非常に重要なことを意味します。なぜなら、体から出した力がうまく伝わらないことは、力を無駄遣いしているだけでなく、その力によって自分の体にダメージを与えていることでもあるからです。
(「クリニカルストレッチ」)
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