バイオメカニクスってなに?
●バイオメカニクスは解剖学と力学のコラボレーション
ヒトは地球上にいる限り、多少なりとも重力の影響を受けます。そのため、この重力にうち勝つための力が必要になります。また、車に乗っていて急ブレーキがかかると、身体は前の方に倒れます。このような運動を行っている時の重力や遠心力等の力の影響を、身体がどのように受けるのかを表す方法を、バイオメカニクス(生体力学)もしくは、ボディメカニクス(身体力学)とよんでいます。
例えば、ヒトが安定して立っている時の足関節の状況を思い浮かべてください。身体には、ものと同じように、重さの中心である重心が存在します。また、その重心から地面に向かってのびる重心線が存在します。足関節では、重心線はくるぶし周辺にある運動の軸よりも前を通るため、すねの骨は常に前へ倒れる力がはたらきます。本来、この状態で何も起きなければ、そのまますねの骨は倒れていき、安定して立つことができなくなり、転んでしまいます。しかし、実際はそうならないように、筋肉等を使って、すねの骨を元の位置にもどそうとする力がはたらくので、転ぶことはありません。
このように、力学と解剖学をミックスさせて動きを表現するバイオメカニクスの考え方は、スポーツやリハビリテーションの分野で昔からよく使われています。また、モーメントやトルクとセットで使い、運動や動きを表現することが多くあります。
(「よくわかる筋肉・関節の動きとしくみ」)
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