再掲載。筋肉の痛みはあいまい。
●筋肉の痛みとは?
運動後に筋肉痛になったことは誰でもあるでしょう。筋肉の痛みは皮膚の痛みとは大きく異なり、重だるく、広範囲が痛く感じるなど、感じ方も痛みの場所も曖昧です。これは、筋肉は皮膚と異なり、外界から損傷を受けることが少ないことから、身体にとっては緊急性が低く、曖昧な痛みとしてしかとらえることができないためです。
「曖昧にしかとらえられない」という筋肉の痛みの特徴は、臨床では大きな問題となります。皮膚の場合、痛い場所がはっきりわかりますが、筋肉の場合、痛い場所は曖昧にしかとらえることができず、本人でさえはっきり示すことができません。腕立て伏せを例に考えると、よく使われる上腕二頭筋は、筋肉がある上腕だけでなく、肘や肩にも痛みを誘発します。そのため、本人は上腕二頭筋が損傷しているにもかかわらず「肩が痛い」と訴えることもあり、本人からの情報を頼りに治療すると、到底原因に到達することはできません。
このように、筋肉の痛みの特徴は、障害された筋肉が引き金(trigger)となり離れた部分に痛みがでることから、障害された部位(point)をトリガーポイント(trigger point)、障害された部位以外に痛みが出現する現象を関連痛と呼んでいます。
(「よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ」)
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