ウソと言っては言い過ぎでしょうが。。。
●今の野菜からはビタミンやミネラルが摂れない、のウソ
サプリメントメーカーの多くは、「今の野菜では、十分な栄養素が摂れない」と訴えます。その根拠として使われるのが、「過去と現在の食品成分表を比較すると、野菜の栄養素が昔に比べて激減している」というもの。
「最新の食品成分表と50年前の成分表では、ほうれん草に含まれるビタミンCが半減している」という新聞記事が話題となったこともあります。
サプリメントメーカーは、これを引き合いに出して自社の製品を売るために「野菜を食べてもムダですよ。当社の製品で補給しましょう」と主張しますが、本当にそうでしょうか。
実はこの「今の野菜では、十分な栄養が摂れない」という議論には、大事な情報が二つ隠されているのです。過去の食品成分表と、現在のそれを比較する際には、このことを知った上で判断しないと事実を見誤ってしまいます。
さて、「隠されている情報」の一つめは50年前と今では栄養素の測定方法が違うことです(50年前は「滴定法」、現代は「HPLC法」)。分析法の精度はまったく違い、今の測定法の方が数値が少なく出る傾向があるのです。だから、昔のデータと今のデータを単純に比較するのはナンセンスです。
二つめは、旬の野菜とそうでない野菜の栄養価の違いに目をつぶっていることです。昔は、野菜は旬のものしかありませんでした。しかし今はビニールハウス栽培で一年中出回っています。当然ながら、旬でない野菜は栄養価がグンと落ちます。
食品成分表には平準化した値を載せますので、現在の食品成分表では、栄養価が低めに表示されることになります。
農薬や化学肥料の使用で土壌がやせていることや、えぐみがなく甘くて食べやすい農作物を目指して品種改良が行なわれてきた結果、農作物の栄養価が減少傾向にあることは確かです。
しかし、現代の野菜もそんなに捨てたものではありません。新鮮な旬の野菜を選んで食べれば、安易にサプリメントに頼らなくても栄養素を摂取することが可能です。
そのためにはよい野菜、旬の野菜を見極める目を持つことです。最近は主婦でも旬を知らない方が増えていると聞きます。また四季を問わずあらゆる野菜がキレイに並ぶスーパーで買い物をしていると、旬があまり意識されないのも事実でしょう。
いい野菜、旬の野菜の目利きに自信がない場合は、八百屋さんと仲良くなっていろいろ教えてもらうのがいいと思います。
最近は各地に野菜の直売所が増えているので、そういうところで買うのもいいでしょう。農家の方と直接対話することもできます。
旬の野菜は供給量が多いので価格が安く、財布にもやさしい。もちろん体にもやさしい。まさに一石二鳥です。
(「サプリメントの正体」)
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