●頭が痛い
頭痛は日常的によくみられる症状です。頭痛には、片頭痛・緊張型頭痛・群発性頭痛など頭痛そのものが痛みの原因である一次性頭痛と、脳出血や脳腫瘍など別な病気に伴い頭痛が出現した二次性頭痛の二種類があります。一般的に頭痛患者さんの約90%が一次性、約10%が二次性であるとされています。
一次性頭痛の鑑別には、痛みの頻度と種類を知ることが大切です。頭痛の頻度に関しては、毎日~2・3回/週で出現する頭痛は緊張型頭痛、1・2回/月から数ヶ月に1回の頭痛は片頭痛、ある時期に集中して起こる頭痛は群発性頭痛といわれてます。痛みの種類に関しては、重く締め付けられる痛みが緊張型頭痛、拍動性でズキズキした痛みが片頭痛、目の奥がえぐられるような激しい頭痛が群発性頭痛といわれています。また、それ以外に、緊張型頭痛では肩こりを伴うことが多く、片頭痛では頭痛が起こる前に前兆※(閃輝暗点(せんきあんてん))が存在したり、吐き気を伴うことがあるといわれています。さらに群発性頭痛では流涙・鼻づまり・瞼(まぶた)が下がるなどの特徴があります。このように、一次性頭痛はその特徴を理解すれば鑑別は容易です。
一方、二次性頭痛は上記以外の頭痛を指します。原因には、顎関節症や頚椎症に伴う頭痛、脳疾患に関連した頭痛があります。特に脳疾患に関連する頭痛では、生死と直結することも少なくないことから、①頭痛以外に全身症状を有するもの、②頭痛の頻度や間隔、さらには痛みの種類が変化するもの、③突然激しい頭痛が起こったものなどに当てはまる場合は早い段階で医師に相談する必要があります。
(「よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ」)
※閃輝暗点:頭痛が起こる20~60分前に、目の前に稲光様の光が出現し、みえにくい部分ができることを指し、片頭痛の特徴といわれる。ただし、すべての片頭痛患者に閃輝暗点がみられるわけではない。
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