●痛みと生活習慣
痛みが慢性化すればするほど、様々な要因が関与してきます。そのため、改善させる方法も様々です。
痛みとの関連性が深いもので、一番身近な生活習慣は「お酒とタバコ」です。過度なお酒は「百薬の長」といわれており、痛みに限らず様々な病気に効果があるよう思われがちです。実際に、筋肉のこりなどで血液の流れが悪い患者さんは、お酒を飲むことで血液の流れがよくなれば、障害部位などにとどまっている痛みの物質を洗い流すことになり、痛みを抑制する可能性があります。ただし、これは1つの例であり、痛風や関節痛のようにお酒により痛みが悪化する病気もあります。また、過度の飲酒は痛みを悪化するとの報告もあります。このように、お酒はその飲み方により、痛みの軽減にも悪化にも関係する難しい嗜好品です。
一方、タバコには血管を収縮させる作用があることが知られています。そのため、タバコを吸えば血流が阻害され、組織の修復を遅らせます。また、血管が収縮すれば痛みの物質は局所にとどまり、痛みをさらに悪化させる可能性があります。そのため、タバコは「百害あって一利なし」といえるでしょう。
さらに、肥満も痛みの原因となります。特に筋骨格系の痛みでは、その傾向はあきらかです。BMI30以上の人は、それ以下の人と比べて腰痛の発生率が高いことが知られています。これは腰痛に限ったことではなく、膝痛でも肩こりでも同様な傾向が見られます。そのため、痛みの種類によっては体重をコントロールすることも大切な改善させる方法なのです。
このように、生活習慣を改善するだけでも痛みをコントロールすることは可能です。痛みのある人は生活を工夫してみましょう。
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