●ホメオスタシス
ホメオスタシスは、恒常性維持機能(こうじょうせいいじきのう)という意味である。ヒトの体温、血糖値、血液中のカルシウム濃度や細胞内外のイオン濃度などは、外部環境が変化してもある一定の値(状態)に保とうとする。たとえば、夏の日に熱くなったら汗を出し、興奮したとしても次の瞬間には元の状態に戻そうとするというように、正常な状態にあり続けようとする機能がホメオスタシスである。
ホメオスタシスは、自己の意識とは関係なく、昨日までの状態を常として、その状態を守り続けようとすることである。
このホメオスタシスのおかげで、食物摂取が必要になれば空腹感を覚え、水分補給が必要になればのどが渇き水分を補給する。また日中の活動で、せっせと心臓を働かせて血液を全身に送り出す。夜間は体を回復するために内蔵を動かして、消化吸収、排泄準備、新陳代謝をする。これもホメオスタシスの働きによるものである。
このように、ホメオスタシスによって私たちの身体は守られているが、ストレス・不安・恐怖・不快などによって自律神経が乱れると、この作用をつかさどる視床下部にも大きな負担がかかってしまう。
この負担が内分泌系や免疫系にも影響してしまい、ホメオスタシスがうまく機能しなくなることで、不調を引き起こす原因になる。したがって、極力ストレスを受けない、またためないようにして、自律神経を常に整えることが大切である。
(「スポーツコンディショニングの基礎理論」)
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