股関節の外側が痛い

●ランニングしていると股関節の外側の出っ張りが痛い


股関節部分の出っ張りが痛むのは大転子滑液包炎(だいてんしかつえきほうえん)と思われます。


下肢の外側にある強靭な靭帯、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)が、骨の突き出た部分で摩擦が起こり痛くなることがあります。腸脛靭帯が動く範囲で骨の突き出た部分は、股関節と膝関節部の2箇所です。股関節部の出っ張りを大転子といい、ここで起こる障害が大転子滑液包炎です。膝の出っ張った部分で起こる障害は、長脛靭帯炎といいます。


大転子と外側の筋肉の間には、つるつるした液を包み込んだ袋があり、滑りをよくする働きをしています。この袋が大転子滑液包、外側で動く筋肉が大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)で、この筋肉には長脛靭帯が膝の下まで伸びています。走り過ぎが原因でこの滑液包に炎症が起こると、大腿から股関節の外側にかけて痛みが出ます。これが大転子滑液包炎です。


股関節に限らず、体内で頻回に摩擦の起こる部分には、「滑液包」というつるつる滑る袋が介在していて、関節周囲の摩擦運動を円滑に行うようになっています。この袋の内側には滑りやすい粘液がいつも分泌されていて、摩擦係数は非常に小さく、かなりの圧力や回数に対しても耐久性があります。しかし限度を越えると袋の内面に小さな亀裂ができて、それが原因で袋全体の炎症反応が起こり中の粘液が増えて、腫れて痛むのです。


また似たような障害に、この大転子部分でポキポキ音がして引っかかる感じがすることがあります。これを弾発股(だんぱつこ)といいます。痛みがなければ放っておいてかまいませんが、痛みがあるようなら大転子滑液包炎と同様の治療方法で軽快します。

(「ランニング障害解決事典」)



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