動きのあるストレッチ2
●アクティブストレッチ
痛みや障害を抱えた人に対しても、動きを伴ったストレッチは大変有効です。特に、神経筋骨格系の障害からの回復期には動きをつけたアクティブストレッチは欠かせないと言っても過言ではありません。ここでいうアクティブストレッチとは、ゆっくりと筋肉に力を入れていくストレッチであり、反動をつけたバリスティックストレッチとは区別します。
アクティブストレッチの特徴は、静的なストレッチと違い、自分の神経筋力も使いながらストレッチを行っているということです。たとえば背臥位の状態から股関節を90度屈曲し内転させた状態で、膝を徐々に伸ばして外側ハムストリングをストレッチする動作は、典型的なアクティブストレッチです。
(中略)
筋肉の収縮活動が起きているときには、その拮抗する側の筋肉にも神経的に抑制の働きが起こります(相反抑制)。この原理を応用したのが、アクティブストレッチです。
アクティブストレッチは、完全に力を抜いた状態で行う静的ストレッチに比べて、2重の意味で効果的です。なぜなら、アクティブストレッチは静的ストレッチのような解剖学的な伸張要素に加え、自分の神経を使って筋肉を動かし相反抑制を使うことで生理的な要素も加わっているからです。
普通に静的ストレッチを行っても、なかなか力が抜けず伸びないという経験をしたことが、どなたも多くあるのではないでしょうか?このようなときに、拮抗する筋肉を収縮させ、伸びにくい筋肉に対して神経的に抑制をかけることで、筋肉を中からリラックスさせることができるのです。
実際の身体活動は筋肉がつねに収縮と弛緩を繰り返しながら行われているので、アクティブストレッチは自然の法則を生かしたストレッチともいえます。
(「クリニカルストレッチ」)
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