変形性膝関節症の痛みの原因は?
●軟骨は痛みを感じない
変形性膝関節症と診断された方の多くは、痛みが伴っていると思います。では、膝関節のどこが痛いのでしょうか?変形性膝関節症では軟骨がすり減ります。ということは、すり減った軟骨が痛いのでしょうか?
実は、軟骨には神経細胞が存在しないため、痛みを感じません。膝関節の痛みは、軟骨がすり減った際に出るカスに滑膜(かつまく)が反応して、炎症が起きるからなのです。サプリメントのCMなどは、あたかも軟骨がすり減ること自体が痛いように描かれていますが、軟骨がすり減るだけでは痛くないのです。
●変形性膝関節症の痛みとは?
とはいえ、削りカスが原因である以上、軟骨がすり減ることを少なくしなければ、炎症は治まりません。軟骨への負担を減らすためには、正しい体の使い方や、膝関節への正しい体重のかけ方を学習することが重要です。
変形性膝関節症が進行していくことで軟骨が消失し、関節に負荷がかかることで疼痛を感じることもあります。また、炎症が繰り返されることで、関節包の線維化が進行し、疼痛を感じるレベルが低下して、痛みを感じやすくなります。
変形性膝関節症の主な痛みはこのように発生します。痛みの原因を理解することで、正しい対処を行い、十分なケアをしていきましょう。
(「よくわかる膝関節の動きとしくみ」)
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