肩は鎖骨と肩甲骨が連動して動く
●肩には関節が5つもある
「肩には関節がいくつありますか?」と聞くと、多くの人は「片側で1つ、両肩の意味で2つ」と答えます。肩の動きに関わる部分を考えた場合、関わる関節の数は片側で5つあります。
たとえば、右腕をまっすぐ降ろした状態から、そのまま上げていく動作を行います。肩を上げ始める前に、反対の左手を右の鎖骨の前方に程度に軽く触れておきます。そのまま腕を上げていくと、腕の動きに併せて鎖骨が徐々に上に上がっていくのが指の下で感じられます。これは、肩の動きに鎖骨の動きが関わっていることを意味します。
続いて、同じ動作ですが、上げ始める際に、左手を右の下に軽く触れておきます。そのまま腕を上げていくと、体の外側に硬い骨が出てくるのが感じられます。これは肩甲骨の一部であり、肩甲骨が肩の動きに関わっていることを意味します。
このように、肩は上腕骨と鎖骨、肩甲骨が連動して、1つのユニットとして動く構造をしており、このことから肩複合体と呼ばれます。そして、このユニットには、5つの関節が深く関わっています。一般的な関節構造をしている※解剖学的関節が3つ、関節構造はしていないけれど、関節と同様の役割を果たす※機能的関節が2つの、合わせて5つです。
肩のトラブルは、上腕骨に加え、鎖骨や肩甲骨の状態もあわせて考える必要があります。
※解剖学的関節:肩甲上腕関節、肩鎖関節、胸鎖関節
※機能的関節:第2肩関節、肩甲胸郭関節
(「よくわかる首・肩関節の動きとしくみ」)
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