ブドウ糖はエネルギーになるのは良いが、運動していない時の白砂糖は、血糖値を安定させず低血糖を起こす場合がある。
●白砂糖を摂ることの問題点
最近でも、「砂糖は脳のエネルギー」というスローガンのもと、砂糖の摂取がすすめられることがある。スプーンに山盛りにされたグラニュー糖がこぼれんばかりの様が描かれ、そのスローガンがでかでかと印刷されたポスターが、いまも貼られている学校があるとも聞く。
そのすり込みはいまも根強く続いていて、
「ちょっと疲れてきたな……。脳が疲れてきた証拠だ。甘い物でも補給するか」
と、チョコレートに手をのばしたり、コンビニに甘いおやつを買いに走る。甘い物を食べると満足感が得られると思ってそうしているのだが、じつはその”思い込み”には大きな問題がある。
脳を正常に働かせているのは、安定した血糖値だ。食材のなかに含まれている糖質を、ゆっくりと消化・吸収することによってのみ、その安定は得られる。甘い砂糖がその役割を担うことはない。むしろ、血糖値の安定をかき乱しているものこそが、砂糖だといっても過言ではない。
砂糖がなぜいけないか?それは精製されすぎているからである。
人間の身体は、たんぱく質、脂質、糖質の「三大栄養素」を基本につくられている。いまほどいろいろな食べ物がなかった時代にも、自然に摂取できていた栄養素だ。だからこそ、わたしたち人間は命をつないできたわけだが、その栄養素のなかで、もっとも人間の手が加えられてしまったのが糖質だといえるのかもしれない。白米しかり、小麦粉しかり、真っ白な砂糖しかりである。
もちろん、糖質は身体を動かしたりするためのエネルギーとして必要ではある。それは本来なら、自然界に存在する食べ物で充分摂取できるものだった。ところが、自然界にはない砂糖という存在が出現したことにより、糖をコントロールする必要性が出てきたのだ。
わたしが常々思っているのは「糖質=砂糖」ではないということだ。糖質は栄養素のひとつであり、嗜好品に分類されるべきではないのだ。
しかし、わたしたちの生活のなかには、これでもかというほど砂糖が氾濫している。デパートに行けば、一番人通りのある出入り口付近にズラリとスイーツが並ぶ、清涼飲料水は自動販売機でいつでも、どこでも買えてしまう、コンビニへ行けばお菓子や菓子パン、アイスクリームなどが山と積まれている……。
人間はすでに”甘い物”を知ってしまった。だからこそ、コントロールする必要がある。どうしても甘い物が摂りたければ、白砂糖をメープルシロップに変えたり、血糖値を上げない甘味料を使うといった”選択”をしてほしいのだ。
「ただ漫然と”バランスよく食べる”ということではなく、なにを食べるべきで、なにを食べてはいけないのかを知ることこそ大切だと思いました」
これは、わたしがカウンセリングをした高校生の男子の母親からもらったメールの一文である。その子はひきこもりで、時に大暴れもするということで相談にきたのだが、その母親も「砂糖は脳にいい」と思い込んでいた一人だった。受験勉強のため、集中力をつけるためによかれと思い、甘い物をせっせと息子に与えていたという。
食べ物が豊富にあふれている現代だからこそ、なにを食べるべきか、なにを食べないべきかの選択が不可欠なのだ。
(「うつ」は食べ物が原因だった!)
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