●糖質栄養素のはたらきを支えている成分
日々進歩している糖質栄養素の研究によって、免疫機能をサポートするとして伝統的に使われてきたハーブ類には、免疫機能を強力に補強する糖類や糖質栄養素が含まれていることがわかってきました。これらの植物のほとんどは少なくとも糖質栄養素の一つを含んでいますが、エキナセアやキノコ抽出物には糖質栄養素が2種類以上含まれています。
エキナセア(むらさきばれんぎく)は、昔から風邪のときに用いられるハーブです。白血球(免疫細胞)の数を増やすことで知られています。この植物にはガラクトースやアラビノースを含む糖質栄養素が大量に存在し、これに加えてウロン酸やセリン、アラニン、ヒドロキシプリンといったアミノ酸なども含まれています。
イエロー・オイスター・マッシュルームとして知られるキノコ(ヒラタケ属)には、マウスを使った肉腫の実験で抗ガン作用があるとされており、これにはグルコース、マンノース、アラビノース、ガラクトース、キシロースそしてフコースが入っていることがわかっています。
これら糖質のうち、アラビノース以外の5つは、人体に必須の複合物に含まれるもので、それが一つの食品に入っているというすばらしい植物です。
7種のキノコ類を使った血液凝固(血液凝集反応)を調べる実験では、いくつかのキノコに多数の糖質栄養素の存在が確認されています。
他の研究では、次の6種の異なるキノコについて綿密な調査が行われました。
タマゴテングタケ=猛毒キノコ(Basidimycetes amanita virosa)
ホコリタケ(Calvatia exipuliformis)
マンズタケ(Cantharellus cibarius)
しいたけ(Lentinus edodes)
ヒラタケ(Pleurotus ostreatus)
結果的にここで確認された「糖」は、イノシトールに結合したマンノースとフコースでした。
何千年もの間、キノコ類は免疫に関わる疾病に使われてきています。免疫サポート作用をもつことで知られるこれらの植物に、一つあるいは複数の糖質栄養素が存在していたのは、けっして偶然ではありません。しかし大昔にキノコを利用した「自然療法医」たちは、自分たちが糖質栄養素を使っていることには気づかなかったのです。
ハーブやキノコだけではありません。南太平洋のある島には、数種の糖質栄養素およびその配糖体を含んでいる植物があります。この植物には複合物のすべては含まれていませんが、私が知る限り、単独ではもっとも多くの糖質栄養素を含む植物です。
その植物はヤエヤマアオキ(morinda citrifolia)といい、「ノニ」という名でよく知られています。この植物は抗腫瘍作用をはじめ、人体の免疫機能に関しても注目すべきいくつかの特性をもっています。
(「いのちの鎖」)
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