●マラソンの時に、脚に疲労がこないよう耐衝撃能力を高めるには?
原因はどうあれ、筋力や心肺能力でなく、耐衝撃能力を高めればいいならそれなりに練習方法が考えられます。翌日に筋肉痛になるような走りをした場合、普通3日くらいで治りますが、筋肉は以前よりちょっと強化して修理され、同じ量を走っても筋肉痛になりません。これを繰り返し徐々に量を増やしていけば筋肉の耐衝撃能力は高まっていくはずです。筋肉痛が起こるようにってとこがポイントです。走る量を減らせば、この能力は急激に減少し、だいたい1ヶ月ほどで私の場合は消失します。おそらく生体は、筋肉の耐衝撃性を維持するには負担がかかっているのでしょう。必要と感じれば適応し、不要になれば元に戻すのでうまく維持しなければなりませんが……
(中略)
ちょっと違いますが、人間の細胞分裂の場合、遺伝子のコピーに8時間、細胞分裂に24時間かかることから、このタンパクの合成も32時間くらいは必要でしょう。またトレーニング後3時間で筋肉のタンパク質は最大で、その後48時間かけてゆっくり低下していくという研究結果からすると、48時間で修復完成ということが言えます。よく回復には軽い損傷で2日と言われますがこのあたりからきていると思います。
成長ホルモンだと全身に作用するので身体的には無駄が生じるので、損傷部位から出た壊れた組織などの物質そのものか、その物質に反応して生成されるものが細胞内のレセプター(受容器)と反応して核に直接必要な遺伝子のコピーの指令を送っているものもあります。これはその筋肉に限定的に作用します。心筋の場合は細胞膜表面に修復作用に強く影響するたんぱく質が発見されているそうです。まあ、走るぶんにはどっちでもよくて、要するに2日という時間が必要というわけです。そして負荷に適応して以前より強く修復されると考えられます。
(「ランニングの科学」)
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