洋式トイレでの排便のコツは前屈みになって腹圧を上げ、肛門直腸角を直線に近づけることです。
●排便時の姿勢と排便量の関係
近年、ほとんどのトイレが和式から洋式に変わりました。和式トイレは地方の駅や、神社やお寺などに残っている程度です。長年和式トイレで生活していた方の中には、洋式トイレが苦手という方がいます。苦手な理由としては、洋式トイレの座面と接触するのが嫌ということがあげられるでしょう。身体機能面から考えると、排便しにくいのも理由の一つです。洋式トイレでは腹圧をかける方法がわからず、息むことができなくなります。特に高齢者の場合、お腹に力を入れて腹圧をうまくかけることができず、便秘の原因になることもあります。
洋式トイレに座り、排便時にどのような姿勢をしているか覚えていますか。お腹に力を入れしっかり息むためには、排便姿勢の違いと排便量の関係を知る必要があります。洋式トイレでの排便が苦手な方は、排便時に背筋を伸ばして息もうとしている方が多いのですが、このような姿勢では腹圧を上昇させることができません。また直腸と肛門がなす角(直腸肛門角)が、排便しにくいとされている角度になるため、ますます排便が困難になります。
排便しやすくするためには、洋式トイレに前屈み(猫背)の姿勢で座り、骨盤をしっかり後傾させることが重要です。前屈みの姿勢では、腹圧をかけることが容易になります。それに加え、直腸と肛門がなす角が一直線に近くなって排便しやすくなり、結果として排便量が増えます。ただし前屈みに姿勢になっても、骨盤を前傾させてしまうと、排便量が減少してしまうので注意が必要です。
(「よくわかる股関節・骨盤の動きとしくみ」)
コメントをお書きください