●寒いと血圧が上がり、心臓に負担がかかる
血圧は、個人差や、いろいろな条件で変動します。季節による変動もあり、一般に、春から夏にかけては低めで安定しますが、秋から冬に向かって高くなります。血圧に異常がない健康な人でもこの変動がありますが、すでに高血圧になっている人は、変動の幅がより大きくなる傾向があります。血圧の上昇が大きく影響する心臓や脳の虚血性疾患で亡くなる人は、夏より冬に多くなることが明らかになっています。
血圧は、さまざまな刺激によって上がりますが、その原因のひとつに、皮膚への刺激があります。痛みや熱などを感じることによって交感神経が興奮し、血圧が上がるのです。とくに冷感の刺激の影響は大きく、氷水に手をつけただけでも血圧が急上昇します。冬は、からだ全体で冷たい刺激を受けるので、血圧が上がりやすい環境になっています。
寒さは、末梢神経を収縮させるため、血管の抵抗が大きくなって、これも血圧を上がりやすくします。血液も固まりやすくなるので、すでに血圧が高い人は、ちょっとした寒冷刺激にも注意が必要です。
(「狭心症・心筋梗塞の安心読本」)
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