糖質コルチコイド
糖質コルチコイドとは、副腎皮質から分泌されるホルモンであり、コルチゾールなどがあります。糖質コルチコイドはストレスに対応したり、免疫機構をコントロールしたりと、人間の生存にかかわる非常に重要な働きを持っています。そして糖質の過剰摂取による機能性低血糖症(以下、低血糖症)になると、この糖質コルチコイドもまた過剰分泌されるようになります。
低血糖症とは、糖質の過剰摂取により血糖値の急上昇が慢性的に続くと、血糖値低下ホルモンであるインスリンの過剰分泌が起こり、それに続く低血糖状態によって血糖値上昇のための様々なホルモンの過剰分泌が起こる状態を指します。血糖値上昇ホルモンとしてグルカゴン、アドレナリン、糖質コルチコイド、チロキシン、成長ホルモンなどがあり、これらが低血糖症になると過剰分泌されるようになるわけです。
低血糖症によって糖質コルチコイドが過剰分泌されるようになると、副腎が疲労し副腎疲労症候群(アドレナルファティーグ)を引き起こします。また、糖質コルチコイド本来の働きも乱されます。すなわちストレスに体がうまく対応できなくなったり、免疫機構が乱れることで炎症にうまく対応できなくなったりします。
糖質コルチコイドは血糖値上昇の働きも持っていて、だから低血糖症で過剰分泌が起こるようになるわけですが、この血糖値上昇作用はタンパク質からの糖新生によって行います。人間のタンパク質の主な貯蔵源は骨格筋です。ですから糖質コルチコイドによる糖新生が起こると、筋肉のタンパク質が分解されてしまいます。ですから低血糖症となり、糖質コルチコイドの過剰分泌が続くと、筋肉がどんどん痩せていってしまうのです。
一方糖質の過剰摂取はインスリンの過剰分泌を引き起こし、インスリンは全身の脂肪細胞にブドウ糖の取り込みと中性脂肪の合成を働きかけます。ですから糖質の過剰摂取によって低血糖症になると、脂肪がどんどん蓄積していく一方で、筋肉はどんどん痩せていくという事になるわけです。
この悪循環を断ち切るにはどうすれば良いのかといえば、糖質の過剰摂取を止めて、タンパク質摂取を積極的に行えば良いのです。すなわち砂糖を摂るな、精製された穀物を摂るな、肉や魚を積極的に食べろ、という事ですね。というわけで、僕が毎度毎度同じことばかり言い続けている理由を、糖質コルチコイドという点から解説してみました。
(さとうながお)
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