●意外と知らない股関節の正しい位置
突然ですが、股関節の正しい位置がわかりますか。「そんなの簡単、ここでしょ」と多くの方は、大転子(だいてんし)を指差します。股関節の正しい位置をご存知の方は本当に少ないと思います。「股関節が痛いのです」と整形外科を受診される方の中にも、股関節とは全く違う場所が痛いと訴えている方もいるぐらいです。
股関節の正しい位置がわからないと、医師や治療者に自分の症状を正確に伝えられなかったり、ストレッチや筋力トレーニング(筋トレ)をするときに正しい動きをイメージしたりすることができません。また自分がどんな歩き方をしているのか気になっても、股関節の正確な位置をイメージできないと、正しい歩き方ができるはずがありません。ですから、治療やセルフエクササイズの対象となる関節の位置は、正しく理解しておく必要があります。
では、股関節は一体どこにあるのでしょうか。股関節の正しい位置を理解するためには、まずは股関節の解剖をイメージしてみましょう。股関節は寛骨臼(かんこつきゅう)と大腿骨頭で構成される関節でしたね。大腿骨頭はその名の通り、大腿骨の先端にあります。大腿骨は頚部から寛骨臼に向かって内側に曲がっているので、股関節の位置は大腿部の側面よりもかなり内側になります。
具体的には大腿骨の大転子をまず触ります。そのまま内やや上方に指をずらしていき、脚のつけ根(鼠径部(そけいぶ))と交わる辺りに股関節があります。脚のつけ根がわかりにくい方は、仰向けに寝た姿勢で膝を立てると、脚と骨盤の境の部分にできる線のことです。
(「よくわかる股関節・骨盤の動きとしくみ」)
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