●うつの95%は食事と深くかかわっている
栄養療法は、起きている症状の原因が栄養素の不足、欠乏にあるという考え方が基本になっている。わかりやすくいえば、食事に問題があるということだ。もちろん、うつ症状には環境的な要素や性格もかかわっている。食事だけが原因だとは言い切れない。
しかし、食事がまったくかかわっていないうつは、おそらく5%未満ではないか、とわたしは思っている。逆にいえば、うつに悩む人の95%は食事になんらかの問題があると考えられるのである。
たとえば、性格が内向的で暗く、打たれ弱い。環境も強いストレスを受けるものであったため、うつになったケースがあるとしよう。一般の治療では、食事に目を向けることはないが、栄養療法では食事の問題点を検査によってあぶり出す。問題点があれば、それを解消する方向で栄養素による治療がおこなわれるわけだ。
その結果、症状が改善されるケースはいくらでもある。性格はもちろん、環境も以前のままだが、「自分が変わってきたのが実感できる」という人が大勢いるのである。食事の影響が大きいことを証明する症例とはいえないだろうか。
また、甘い物が好きで、米やパンなどを多く食べる食習慣で、うつ症状が出ているという人がいる。このタイプは年末年始が”危険ゾーン”だ。年末年始は食事が乱れがちになるし、お酒を飲む機会も増える。クリスマスのケーキ、正月のお餅、そしてお酒によって、症状が悪くなるケースが非常に多いのである。これもうつ症状と食事の緊密な関係を示すものである。
(「うつ」は食べ物が原因だった!)
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