食材はどんな基準で選ぶか?
「間違いだらけの食事健康法」から抜粋。
●「自然の食べ物」と「工業食品」の違い
「狩猟採集型ダイエット」を実践していくための食材の選び方について考えていきましょう。大事なのは「なるべく品質の高いものを選ぶ」ということに尽きますが、その基準はどこにあるのでしょうか?
最大のポイントとなるのは、「加工されていない自然の食べ物を選ぶ目を養う」ということ。
ここでいう加工された「工業食品」には、「閉鎖型の畜舎で育った畜産物」や「養殖魚介類」などが含まれます。スーパーなどに出回っている肉や魚の多くが該当しますが「こうした食品をわざわざ排除して、自然のものを選ぶ価値があるのか?」「それが本当に健康につながるのか?」……あまりピンと来ていない人もいるかもしれません。
食品汚染の問題については語られることが多いので、ここでは「自然の食べ物」の健康効果について考察していきましょう。
まず、牧草で育った家畜の肉には、ガンや心臓血管障害を減少させる「共役リノール酸」が豊富に含まれています。それは、穀物で育つ家畜の畜産物の3~5倍に及びます。
また、穀物で育つ家畜の畜産物と比べて、ビタミンE、ベータカロテン、ビタミンB2、ビタミンB1、カルシウム、マグネシウム、セレニウムなどが豊富に含まれていることが分かっています。
●同じ食品でもこんなに違う
また、放し飼いで育ったニワトリの卵は、閉鎖型の畜舎で育ったニワトリの卵より、オメガ3脂肪酸、ビタミンB12、葉酸、ビタミンE、ビタミンAなどがより多く含まれます。
汚染されていない海や川で採った魚介類にいたっては、オメガ3脂肪酸の含有量がオメガ6の10倍にものぼります。
養殖のサーモンでは、ガン、心臓血管疾患、糖尿病、アルツハイマー型認知症を起こす炎症性物質の血液中の濃度を増やしてしまうマイナスの効果が報告されているほか、ビタミンDの含有量が4倍も低く、栄養価もぐっと下がります。従来の栄養学のように、両者を同じ食品として見なすのには無理があることが分かるでしょう。
また、有機栽培と慣行農業(農薬・化学肥料)、それぞれの作物の栄養素を調べた研究によると、前者の作物のほうがビタミンC、E、ケセルチン、ポリフェノールなど11種類もの栄養素で含有率が25%も高かったという結果が得られています。有機栽培の作物を手放しに評価できないことは前述した通りですが、農薬や化学肥料が食べ物の質を低下させていることは間違いないでしょう。
※狩猟採集型ダイエット
「ヒトにとっての理想の食事=狩猟採集時代の食事法」を現代人向けにアレンジしたもの。
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