マラソン以上の距離は、内臓との戦いでもあります。どうして調子が悪くなるか理解していると対処はできます。
「ランニング障害解決事典」より引用。
●ウルトラマラソンの途中でいつも嘔吐する
マラソン、特にウルトラマラソンでは後半の胃もたれ、嘔吐は非常に多くの人が経験しています。これは、長距離を走ることによって胃に血液がいかなくなることと、走って揺れることで引き起こされる、急性胃炎によるものです。
長距離を走っている最中は、血液は走っている筋肉のほうに大部分が流れていってしまうため、内蔵にはほとんど回らなくなってしまいます。このため胃の動きは極端に悪くなって、食物を消化しないばかりか、水分を十二指腸へ送り出さなくなってしまいます。そして、胃にたまった水分などが、走って揺れることで、胃壁を酸から保護している粘膜を洗い流してしまい、胃は胃自体が分泌する酸におかされて、ただれて出血し、胃炎を起して嘔吐します。
胃には粘膜を出す細胞と胃酸を出す細胞があります。胃酸は口から入ってきた細菌などを殺す役目を果たし、胃はその酸の攻撃を受けないように粘膜を分泌して胃壁を保護しています。しかし、長距離走による血液供給不足の状態と揺れ運動が長時間続くと、胃壁を保護している粘液が少なくなって、自分で分泌する胃酸に負けてしまうのです。
ウルトラマラソンで午後から気持ち悪くなって嘔吐すると、午前中に食べたり飲んだりしたものが黒い吐物として出る、といった経験のある人は多いと思います。私はこの症状のために走る意欲が無くなって、ウルトラを何回もリタイヤした経験があります。
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