ランニングをしているとかかとが痛くなる時があります。
●かかとが痛い
かかとが痛いときは、足底筋膜炎が疑われます。
足の裏には、縦方向に足底筋と呼ばれる筋肉が走っていますが、その筋肉の表面には強い線維性の膜があって、これを足底筋膜といいます。足底筋膜は骨を引き寄せることで足の骨のアーチを形成しています。この弓のようなアーチ構造によって、路面からの衝撃をやわらげたり、蹴り出しの動作がうまくできる仕組みになっています。この筋肉の表面にある足底筋膜は、非常にじょうぶな線維ですが、かかとの骨に付いている部分は力学的に弱い部分です。路面からの衝撃を繰り返し受けると、微小部分で線維が切れたり骨からはがれたりしてしまいます。いったん小さな破壊が起こるとその部位は抵抗が弱くなるため、さらに破壊が進行する結果となり、やがて痛みが出てきます。これが足底筋膜炎です。
壊れた部分にはすぐに治すための反応が起こります。痛み物質を放出したり、切れた線維の間を埋める新しい線維ができたり、骨の膜が厚くなって骨の出っ張りができたりします。レントゲン写真で確認してみると、骨の棘(とげ)のようなものができ上がっていることがあり、このことから、踵骨棘(しょうこつきょく)と呼ばれることもあります。
(「ランニング障害解決事典」)
コメントをお書きください