●副作用は主作用が強く出たもの
「薬には副作用があるからなぁ」
薬に対して誰もが持っている一般的な常識がこれだろう。確かに、薬を飲むと治したかった症状がやわらいだり、なくなったりするだけではなく、体調に別の変化が起きることは少なくない。
たとえば、やっかいな花粉症を改善しようと薬を使ったら、眠くなってどうしようもなかった、という経験をしたことがある人も多いのではないか。睡魔に襲われるのが「副作用」というわけだが、これは正しい捉え方なのだろうか。
花粉症の症状がやわらぐのは、薬の抗ヒスタミン作用による。花粉症というアレルギーを引き起こしているヒスタミンを抑える作用が働いて、鼻水や涙、目のかゆみなどが止まるのだが、抗ヒスタミン薬には同時に眠気を誘うという作用もあるのだ。
にもかかわらず、一方は主作用、もう一方は副作用と見なされているわけだ。しかし、花粉症の症状が緩和されるのも、眠くなるのも、薬が”正しく”作用しているからなのである。眠くてどうしようもない、というのは後者の作用が少し強く出てしまっているということだ。
血圧の薬で立ちくらみが出るというのも同じだ。血圧を下げるのも、立ちくらみが出るのも、薬の本来の作用であって、血圧が下がりすぎれば立ちくらみするのは、むしろ当然といっていい。
このように、通常、副作用とされているのは、主作用が違う形で、それも多くは好ましくない形であらわれているケースのことだ、と捉えるのが薬に対してニュートラルな視点だといえる。
(「薬がいらない体になる食べ方」)
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