●そもそも血圧は血流量と血管抵抗で決まる。
血圧は、全身に血液を届ける原動力として必要なものです。血圧の高さを決める要素は、血流量と、血管抵抗のふたつです。
血流量とは、心臓が送り出す血液の量のことで、心拍出量ともいいます。激しい運動をして全身の筋肉がたくさんの酸素を必要としたときや、緊張やストレスを感じたとき、心拍数が増えて血流量も多くなります。
血管抵抗とは、流れる血液に対しておこる、血管が反発する力です。血管抵抗の多くは細動脈(さいどうみゃく)でみられますが、もともと細い動脈に抵抗性があると、血液はさらに流れにくくなり、強い圧力で流そうとするために血圧が上がります。また、血液は水のようにサラサラの液体ではなく、ある程度の粘り気(粘稠性(ねんちゅうせい))があります。これを全身に循環させるには、圧力が必要です。血液の粘稠性も血圧を決める要素になります。
からだには、必要充分な血液が常に循環するために、圧受容体というセンサーが備わっていて、運動やストレスで血圧が上がると、それを感知して、脳の心血管中枢に血圧をもとに戻すよう指令を出します。
ところが、高血圧の状態が長年続くと、このセンサーの感度が鈍くなり、血圧が高いまま維持されるようになってしまいます。
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