●首の後ろを温める
急性にしても慢性にしても、上咽頭が炎症を起こしている場合鼻うがいに加え、首の後ろを温めると効果的です。就寝時や、ちょっと横になるときなどに、首の後ろにタオルでくるんだ湯たんぽを当てて温めるとよいでしょう。あおむけになって湯たんぽを首の枕にするような感じで30分くらい温めると、首の後ろだけでなく手足まで温まってくるのがわかります。
温める方法は、湯たんぽにこだわる必要はありません。首の後ろにドライヤーの温風を当てたり、電子レンジで温めた濡れタオルや、タオルでくるんだ使い捨てカイロを首に当てたりとさまざまな方法がありますので、自分がやりやすい方法でかまいません。ただし、低温ヤケドには注意するようにして、カイロをそのまま皮膚に当てて長時間放置するといったことは避けるようにしてください。
炎症というと「冷やさなくてはいけないのでは?」と考えるかたもいるかもしれませんが、これはケース・バイ・ケースです。上咽頭炎の場合は、温めたほうが治りが早くなります。
炎症を起こしている上咽頭では、外界からの攻撃軍である病原菌やウイルスと、体の防御軍であるリンパ球が戦っています。リンパ球の働きは温度に敏感で、温度の上昇そのものがリンパ球の機能向上につながります。また、温めると上咽頭の血流がよくなり、リンパ球や上咽頭の繊毛上皮細胞の働きがよくなります。カゼの引き始めに首を温める方法は古来よく知られていますが、これは経験から得た昔の人の生活の知恵といえます。
また、日ごろからマフラーやスカーフをしたりハイネックの服を着たりして、ふだんから首を冷やさないための工夫をするとよいでしょう。
(「腎臓病を治す本」)
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