●若者の魚離れ、「油漬け」がもたらす”心”の変化
「集中力が弱くなる」、「自殺しやすくなる」、「他人に対する攻撃性が上がる」、「うつ病傾向が強くなる」、このような性質(行動パターン)が食べ物の脂肪酸で影響を受けることは、誰も想像しませんでした。
しかし、この四半世紀の間に多くの動物実験が行われました。そして、動物実験だけでなく、食べ物の脂肪酸と行動パターンとの関係が人でも調べられました(疫学調査)。
その結果、確かに食べた油脂のオメガ6脂肪酸が多く、オメガ3群脂肪酸が少ない(オメガ6対オメガ3比が高い)と、このような変化がおこることが明らかにされました。
殺人率さえ、摂取脂肪酸と関係ありそうなのです。リノール酸(オメガ6)の摂取量の増加に伴って殺人率が上がっていること、リノール酸摂取の多い国ほど殺人率が高いことなどが疫学的に示されました。
”動脈硬化を予防するためにリノール酸を増やす方が良い”という間違った考えに基づき、いくつかの介入試験が行われました。
その結果、心疾患や癌はリノール酸摂取により、むしろ増えてしまいました。
このとき、不慮死(事故死や自殺、殺人など)が非常に増えました。
インドでは第二次大戦後、羊乳から作ったバターの摂取を減らし、植物油を増やしましたが、心疾患や癌が増えてしまいました(「インドパラドックス」と呼ばれています)。
沖縄県では1972年に復帰後、ラード(豚脂)から植物油を増やす方向に変えましたが、長寿ランキングが下がり男性では現在、都道府県の中ごろです。そして、若者の不慮死の増加がその一因となっています。
(「本当は危ない植物油」)
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