●動物性脂肪が体に良い理由とはなにか
薬を売りたい医薬業界は、世界がマーケットですから、コレステロール悪玉仮説は、世界を席巻しました。
そして、コレステロールを一過性に上げる働きのある動物の脂肪、飽和脂肪酸は悪玉とされ、WHOをはじめ多くの国のガイドラインでは、飽和脂肪酸の摂取量の上限が決められてきました。主に1950年代からのことです。
そして、動物性のバターに代わって、おもに大豆油などに水素添加して固形化した「マーガリン」がコレステロールを含まない、良い食品として宣伝され、植物油の消費を伸ばすことに貢献しました。
しかし、水素添加油が、健康でないことは見てきたとおりです。
そして疫学調査では、「飽和脂肪酸を多く食べる群でも心疾患死亡率は高くない」とくりかえし報告されています。
動物の脂肪、飽和脂肪酸は、単に心疾患を促進しないというだけではありません。
飽和脂肪酸や、今まで危険と言われたコレステロールを多く含む食品を食べている人ほど、脳卒中になりにくく、たとえ脳卒中になっても、予後が良いのです。
(中略)
心疾患も同様に、飽和脂肪酸摂取が多いからといって死亡率は上がらず、むしろ下がっています。これがわが国における規模の大きい長期の追跡調査の結果なのです。
(中略)
低コレステロール血症が長く続くと、年を取ってボケたり寝込んだりしやすいのです。
年を取って物忘れなんかを予防するためには、コレステロールがたっぷり含まれる肉、卵、魚を十分に摂りなさい、ということになるでしょう。
動物性脂肪はそういう意味で「善玉」だったのです。エネルギーの取り過ぎは糖尿病の危険因子になりますから、必要以上に食べた方がいいということではなく、コレステロールを気にして遠慮することはないということです。
それよりも料理法により、植物油の取り過ぎに気をつけるべきでしょう。トンカツや唐揚げより、煮たり蒸したりの伝統料理法が健康によいのです。
(「本当は危ない植物油」)
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