●「久山町研究の悲劇」が示すもの
MEC食(肉・卵・チーズ)は、人々を健康にします。しかし肉や脂を控えて野菜と穀物をたくさん食べる「低カロリーでヘルシーな食事(カロリー制限食)」では私たちを健康にできず、肥満や糖尿病などを増やすばかり。それらを起点に、次々とドミノ倒しのように重い病気になってしまう可能性も高く、人体にとって大きなリスク要因になります。
といっても長い間にわたって「野菜=ヘルシー」と刷り込まれてきたみなさんの頭の中はまだ疑問符だらけだと思います。そこで、残念ながらカロリー制限食による健康被害が現実のものとなってしまった、日本の医学研究のエピソードをご紹介しましょう。九州大学が中心となり、現在も福岡県糟屋郡久山町の町民とともに進められている「久山町研究」という世界的プロジェクトでの出来事です。
(中略)
●粗食・菜食は人を早死にさせる
久山町で実際に起きた、不適切な栄養指導による健康被害の話は、いささか衝撃的だったでしょうか。健康のためにと、大学の指導どおりの食事を熱心に続けた町民たちは、こぞって病気になってしまいました。男性の55%、女性の36%もの方に糖代謝異常があったという事実は、カロリー制限食の瑕疵(かし)を人体実験で証明したようなものです。
これは福岡県の素朴な田舎町で現在も進行中の出来事であり、カロリー制限という幻想がもたらした悲劇でもあります。この幻想は頑固なまでにみなさんの脳裏にこびりついていて、たとえば、若い女性がコンビニでランチを買うときに少しでもカロリーの低いお弁当を選び、それに必ずサラダをつけるのも、同じ根っこによるもの。すべては、「野菜=ヘルシー」という迷信の悪影響です。
肥満や糖尿病などの治療で医療機関にかかっている方のほとんどは、カロリーを制限せよとの栄養指導を受けています。みなさんの周囲にも、必死の思いで食欲を我慢したにもかかわらず、健康を害してしまっている方が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
昔から、「体が資本」といいます。健康でなければ日常生活がままならないのは事実ですし、健康をつくるためには何より食事が大切。カロリーを抑えることだけに注目した粗食や菜食のような食事では、ヒトは絶対に健康にはなれません。
久山町研究のエピソードでは、糖尿病を例にあげました。そればかりではなく、カロリー制限食による健康被害は多岐にわたり、糖尿病以外にも無数の病気や体調不良を引き起こします。
(日本人だからこそ「ご飯」を食べるな)
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