●筋トレをすると脳が”若返らねば”と勘違いする!
アンチエイジングに欠かせない「成長ホルモン」。残念ながらダイレクトに”成長ホルモンを出させる食材”というものはありません。ですから”成長ホルモンの分泌しやすい環境を作る食べ方”について、これまで詳しくお話ししてきました。しかし、成長ホルモンの分泌を促すには、もうひとついい手があります。有効なのは「筋トレ」です。
筋トレのような瞬発力を必要とする激しい運動をすると、筋肉に強い負荷がかかります。するとその刺激が脳に伝わり、脳は「体はまだ成長期なんだ!」と錯覚し、成長ホルモンをどんどん出してくれるのです。まさに脳が勝手に若返ろうとしてくれる嬉しい勘違い!これなら筋肉の強さも年齢も関係なく、成長ホルモンを出し続けることが可能なのです。事実、90代の高齢者でも筋肉は成長するというデータ結果もあるほど。
逆に、筋肉量が減った体は新陳代謝も悪くなり、脳は「もうこれ以上体が成長することはなさそうだから、成長はストップしよう」と判断して成長ホルモンを分泌しにくくなってしまいます。ジョギングのような軽い有酸素運動では成長ホルモンはほとんど出ないことがわかっていますから、その意味でも週1~2回は、ハードなトレーニングをするのが理想的です。
ポイントは、集中的に強い刺激を与えて筋肉を”酸欠状態”にすること。とにかく「もうこれ以上は無理!」と思うまで追い込むのがコツです。回数や負荷の重さに決まりはなく、長い時間トレーニングする必要もありません。むしろ、途中で休憩してしまうと酸欠が改善されて成長ホルモンを分泌する効果が低いので、短時間で集中的に行うのがベスト。
スポーツクラブに通う時間がなくても大丈夫。家で簡単にできる方法はあります。例えばスクワット。スクワットは成長ホルモンを多く出す太ももやおなかなどの大きな筋肉を効率よく鍛えられるうえに、全体の筋肉量が増えて基礎代謝もアップ。食べても太りにくい体が作れるのでまさに一石二鳥!
太ももだけでなく、おなかや背筋、お尻にも力を入れ、膝が前に出ないようにしながら膝より低い位置までまっすぐ腰を落とします。正しいフォームで行うと女性なら10回もできないほどハードなはずですよ。また、女性が気になる二の腕は、椅子を利用すると効果的。後ろ向きの状態で逆さ腕立て伏せをする要領で、椅子の座面に両手をついて両腕で体全体の体重を支えてプッシュアップ。
どちらも回数や時間ではなく、自分で限界だと思うまでやることが成長ホルモンの分泌を促す秘訣です。僕はジムにも通っていますが、自宅やホテル、ヨットに乗っている間も時間を見つけてはチューブなどを使ってトレーニングしています。”脳はだまして若返る”。アンチエイジングにぜひ取り入れてみてください。
(「老けない人はやめている」)
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