●たるみ予防にコラーゲンを積極的に摂っています
日本人には「○○が体にいい」と言われると、そればかり食べようとする傾向がありますよね。その象徴が”コラーゲン信奉”でしょう。特に女性はコラーゲンという言葉に弱く、コラーゲンが豊富なものを食べると翌朝の肌がプルプルになるといって喜びますが、専門家の僕に言わせるとそれは単なる思い込み。コラーゲンに限らず、これさえ食べれば健康になる、肌が若返る、というミラクルを私たちは期待してしまいますが、残念ながらそういうものは存在しません。
そもそもコラーゲンは分子が大きく、そのままでは体に吸収されにくいのが特徴。消化されるとアミノ酸に分解され、コラーゲンとしては跡形もなくなってしまいます。もちろん分解されたアミノ酸は体内で新しい皮膚を作り出す材料になるのですが、それだけではなく内臓、筋肉など体のあらゆるパーツで利用されるので、摂取したコラーゲンが肌のために利用されるとは限りません。
私たちの体の中には28種類のコラーゲンがあり、そのうちいくつかだけが皮膚に関わります。ですからあなたが食べたコラーゲンが肌に役立つその数種類のコラーゲンに当てはまるかどうかも疑問なのです。鶏や牛の内臓を食べても自分の内臓が元気になるわけではないのと同じ理屈です。それよりも、体が自然にコラーゲンを作り出せるように栄養をバランスよく摂るほうがよほど効果的と言えます。特に大事な栄養素はビタミンK。納豆、芽キャベツ、ブロッコリー、パセリなどに多く含まれています。
また、参考までに補足すると僕が知る限り、コラーゲンの生成に役立つと証明されている唯一の食材はアロエです。アロエにはビタミンCをはじめ、カルシウム、亜鉛、鉄分などのミネラル、20種類のアミノ酸が含まれていて、コラーゲンの生成を助け、新陳代謝を促進する働きがあります。独特の苦味があってそのままだと決して美味しいとは言えないのが難点ですが、抗酸化作用にも優れたスーパーフードです。
(「老けない人はやめている」)
コメントをお書きください