●常習性のリスクがもっとも少ないものは発酵食品
中毒にならないためには、子どもの頃から、精製されていないものを食べさせる習慣をつけることが大切です。特に配慮していただきたいものが調味料です。
白砂糖や食塩には強い中毒性がありますが、毎日の食事の調味料として活用するものです。せっかく、加工食品を避けていても、料理の味つけに中毒性の高いものを使っていては、あまり意味がありません。お子さんに食べさせるのであれば、自然の甘みや塩けを用いたものを選ぶようにしましょう。
私がおすすめするのは、発酵食品です。私は、精製されていない食べ物のなかでもっともバランスがいいものは発酵食品だと思っているからです。
例えば、塩の代わりに塩麹、砂糖の代わりに麹、ジャムの代わりに麹ジャム。麹は甘いことをご存知でしょうか?
麹を使った甘味料は精製されておらず、天然の菌がつくっているので、アミノ酸のバランスやブドウ糖のバランスが非常にいいのです。
私は、これら麹を使った甘味料が、砂糖中毒の救世主になるのではないかと期待しています。昨年から塩麹がとても人気です。こうした、自然に近いものの人気が高まり、見直されて、皆さんが口にする機会が増えるのは、とても喜ばしいことです。
そもそも、食品は人の手が入り、極端になればなるほど中毒性が強くなっていきます。逆に天然に近づけば近づくほど、中毒性は非常に低くなります。この原則は変わらないので、今後とも麹人気が続いてほしいと願っています。
麹菌はでんぷんを分解してブドウ糖にします。分解するときに、ブドウ糖以外にいろいろなものができるので、中毒性の低い、自然な甘みが出てくるのです。
ごはんをよくかんでいると甘くなります。これは唾液に含まれている酵素によって、でんぷんが分解されるからです。麹を使った甘味料は、この分解を麹菌がお手伝いしていると考えていただくといいでしょう。
(中略)
もともと糖分というのは、単独では存在しません。
だから、発酵が続いている状態では、発酵菌が食材の中で分解と合成を繰り返しています。人間が手を加えたものは、ほとんどが単独の化学成分を抽出したものなので、そこに決定的な違いがあるのです。
そして、抽出しているために、精製度がどんどん高くなり、中毒性も激しくなっていってしまうのでしょう。
発酵食品をおすすめする理由はほかにもあります。
①栄養素が消化・分解・吸収されやすい
②分解された栄養素が新たな効果をもたらす
③微生物がある栄養素を使って新しい栄養素をつくる
④食品がもつ毒性が低下する
麹、みそ、しょうゆ、納豆、酢、漬け物、かつおぶし、キムチ、甘酒、マッコリなど、発酵過程のある調味料や食べ物を積極的にとるようにしましょう。
(「砂糖」をやめれば10歳若返る!)
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