●糖質によるエネルギー源は長時間もたない
結論から申し上げると、炭水化物を一定期間断たなければ、ケトン体回路は働いてくれません。
炭水化物を食べて肝臓にためこまれたグリコーゲンは、せいぜい3~4時間しかもちません。それは、まず血液中のブドウ糖が消費されて、次に肝臓に蓄えられているグリコーゲンも3~4時間で血中に出てしまうということです。
食事で取り込んだ糖質を肝臓に蓄えて、必要に応じて出していくのに3時間以上はもちません。
現代であれば、ハイキングなど長時間外出するときにはおにぎりを持っていって、エネルギー切れにならないようにするでしょうが、狩猟により食料を得ていた時代にはそんなものはありません。そう考えると、人間はブドウ糖を使い果たしたとしても動物を追いかけて走ったり、捕まえたりすることができるわけです。
それはまさしく優先的にケトン体回路を使っていたということです。
問題は、ケトン体回路を現代人が使わなくなってしまったということですが、それを容易にしたのが、体内のブドウ糖が不足し始める3時間以内に、砂糖を供給し続けるという現代の食品業界のビジネスモデルです。
前の章で、食品業界による砂糖中毒の話をご紹介したのは、この構図を見破り、理解していただくことが非常に大切だからです。
イライラしたときに甘いものを欲しているのは、中毒反応であり、糖質が必要だからではありません。そこでぐっとがまんすれば、自然に糖新生やケトン体回路のスイッチが入って、イライラなどの中毒症状が起こることはなくなるでしょう。
(「砂糖」をやめれば10歳若返る!)
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