糖が多いと対応できない

●そもそもヒトの体は、糖が多いと対応できない

 

私が砂糖中毒を心配するのは、血糖値による弊害も心配しているからです。

 

砂糖をとればとるほど、血糖値は上昇しやすく、糖尿病のリスクが高くなります。

 

もともと、人は進化の過程で飢餓状態の歴史のほうが長かったので、現代の日本のように、砂糖のとりすぎによって血糖値が急上昇するというシチュエーションは想定していなかったのです。

 

そのため、私たちの体内には、血糖を上げるよう働くホルモンはたくさんあります。例えば、アドレナリンをはじめ、多くのホルモンに血糖値を上昇させる働きがあります。

 

さきほど紹介したように、ブドウ糖が不足して血糖値が下がってきたら、まず肝臓に蓄えられているグリコーゲンが分解されて血糖値を上げます。糖新生で必要なブドウ糖をつくりだし、ケトン体回路でエネルギーをつくることも可能です。

 

これは当然のことで、生きるために闘い、活動するためには筋肉と脳を動かさないとなりません。闘うためには交感神経が必要で、リラックスしてからだを休めるために副交感神経必要なわけです。そして、闘うために交感神経をスイッチオンするためには、ATPが必要で、それをすばやくつくることができるのは、やはりブドウ糖になります。

 

ところが、血糖値を下げるホルモンはひとつしかありません。それはどうしてかというと、理由は簡単で、食事をしなければ自然に下がってくるからです。

 

現代の日本のように、おなかいっぱいになるほど食べられる時代はそれほど長く続いたわけではありません。むしろ、長い長い間、食べるものを手に入れるために苦労し、飢えと闘ってきました。

 

もともと、人間が一度に食べられる量には限界があります。一定の食事があったときに、食べる側の数と食べられる側の数はいっしょに進化しているので、そのバランスはあまり崩れません。食べ物が多いときには子孫が増え、子孫が増えて食べ口が増えると1人当たりの分け前が減り、淘汰されます。

 

自然界では、捕食者と被食者との需要と供給のバランスがとれているので、血糖値を下げるためのホルモンはひとつで十分だったわけです。

(「砂糖」をやめれば10歳若返る!)

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健友館こん整体
院長:  今  晋

   (こん すすむ)

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