●ナトリウムよりカリウム?
塩分を控えたほうがいい本当の理由
考古学の調査から、約5600年前に塩が採掘され、ヨーロッパで取引が行われていたことが分かっています。冷蔵庫が普及するまで、塩は肉や他の食物を保存する重要な役割を担っていました。
冷蔵庫が普及した現代では、保存料としての塩がそれほど必要ではないはずにもかかわらず、ナトリウムの摂取量が拮抗関係にあるカリウム摂取量に比べて2倍量にもなっています。これは、調味料として塩の使いすぎや加工食品に大量に塩が含まれていることが原因と言えます。
一方、カリウムは新鮮な野菜やフルーツに多く含まれています。このようなカリウムを豊富に含む野菜やフルーツが、カリウムをほとんど含まない植物油、精製糖、全粒粉の食品(穀物)、乳製品にとって代わられていることも、ナトリウム/カリウムのアンバランスの原因でしょう。
一般に使われている塩(食塩)は、正式には「塩化ナトリウム」と言います。
塩化ナトリウムはナトリウムとクロールイオンが結合したものですが、これらの成分は血液を酸性にすることから高血圧などに悪影響を及ぼします。体液のナトリウム濃度が高くなると、その濃度を薄めようとして水を取り込み体液が増えてしまうため、結果として血圧が上がってしまうのです。
一方のカリウムにはナトリウムの腎臓での再吸収を抑制して尿中への排出量を増加させることにより、血圧を降下させる働きがあります。
また、細胞膜にあるいくつかの酵素の活性を上昇させて、末梢血管を拡張させることによって血圧を下げる働きもあります。塩の摂りすぎで招かれる血液の酸性化を中和する働きも知られています。
(「間違いだらけの食事健康法」)
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