●精製度の高いものほど「中毒」のリスクが高い
実は、食べたときに「おいしい」「心地よい」など、快感を覚える度合いが高いものは、すべてマイルドドラッグになる可能性があります。ただし、その作用は精製されているものほど強くなります。
例えば、玄米より白米、黒糖より白い砂糖のほうが、塩であれば自然塩よりも海水からナトリウムだけを抽出した食塩のほうが中毒性は高くなります。
精製されていないものの場合は、中毒性はそれほど強くありません。
麻薬の場合も、純度が高ければ高いほど中毒性が強くなります。麻薬は精製度が高いほど末端価格が上昇し、使用したときの快楽が強く、中毒性も強くなります。マイルドドラッグにも同じことがいえます。
ところが、現代の日本の食卓に上がるのは精製されたものばかりです。精製されていない自然のものは、加工する手間がかかるので大量生産ができず、価格も高めになります。
そのため、安価で使いやすい白砂糖、食塩、旨み調味料など加工(精製)されたものが、毎日の食事で活用され、子どもの頃からマイルドドラッグを口にしています。さらに、ハンバーガーやドーナツなど子どもが好むジャンクフードも立派なマイルドドラッグです。
これらのマイルドドラッグを、子どもの頃から食べていれば、大人になる頃には立派な「中毒患者」のできあがりです。子どもの頃から精製されたものに慣れているので、中毒回路ができてしまうわけです。
これを解決するための究極の方法は、離乳食を精製されていない、自然に近い食べ物で始めるべきだと私は考えています。そして、精製されていない食べ物のなかでも、もっともバランスがいいものは発酵食品ではないでしょうか。
例えば、塩の代わりに塩麹。砂糖の代わりに麹。
麹は甘みがあるのですが、これは精製されたものではなくて、天然の菌が作っているものです。天然の菌が作っているので、アミノ酸やブドウ糖のバランスが非常によくて、栄養源としてはもちろん、中毒性もほとんどありません。
天然に近いものほど中毒性が低くなり、人の手が加わるほど中毒性は高くなります。マイルドドラッグの害を避けるためには、いかに自然のものを選ぶかが大切になります。
加工食品のように、一度人間が分解してしまって改造したものは、いろいろな意味でバランスが崩れてしまっています。そして、バランスが崩れれば崩れるほど、極端になればなるほど中毒性が強くなっていきます。
これがマイルドドラッグ中毒においてはっきりしているひとつの原則です。
(「砂糖」をやめれば10歳若返る!)
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