●健全なミトコンドリアも増える
もともと脳は、ホヤなどの原腸動物が運動して移動する必要性に迫られることで発達した器官です。こうした原腸動物は、エサの豊富な流れのあるところに固着すると動く必要がなくなるため、自分の脳細胞は食べてしまいます。まさに「運動なくして、脳はなし」です。運動してさっぱりした後は、読書や勉強がはかどることが多いこともうなずけるでしょう。
私自身、大学時代はテスト前になるとひたすらランニングしていました。こうした運動で十分汗をかいてから、勉強に取り込んだほうが能率は何倍も違うことを実感していたからです。今でも運動しないと頭が働かないばかりか、少し言い方がオーバーかもしれませんが、自分の精神にも変調を来たしてしまいます。運動はストレスマネージメントにおいても最も優れた方法と言えるのです。
適度な運動によってエネルギーが消費されると、細胞内のミトコンドリアの呼吸鎖での電子の漏れが少なくなり、フリーラジカルの発生が抑えられます。また、エネルギー要求が高まるにつれて、健全なミトコンドリアが増えることや、定期的な運動によってミトコンドリアの機能を改善することで健康効果が発揮されることも明らかになっています。
こうした運動と健康との関係を良く理解し、身体運動はできれば継続して続けていきましょう。ウォーキング、ジョギング、日曜大工、家の大掃除、水泳、サイクリングなど、自分自身が取り組みやすいものであれば何でも結構です。
関節や筋肉の痛みで適切な運動ができない人も、できる範囲で構いませんから体を動かしましょう。たとえ、ベッド上に寝たきりになったとしても腰や背骨をうごかす運動は可能です。食事を改善し、体を適度に動かすことで、失われていた狩猟採集民の身体感覚が徐々に蘇っていくはずです。
(「間違いだらけの食事健康法」)
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