●注意したい「液糖」と「植物油の種類」
AGEsは糖がタンパク質と結びつくメイラード反応によってできる物質ですが、食物中のある意外な物質が血液中のAGEsを上昇させることが知られています。
それは、清涼飲料水などに使われる「ブドウ果糖液糖」の主成分である「フルクトース」(果糖)です。フルクトース自体はAGEsをほとんど含んでいませんが、血液中に入ることでブドウ糖のじつに10倍ものAGEsを発生させてしまうのです。
フルクトースを主成分とする「ブドウ果糖液糖」は、清涼飲料水だけでなく、菓子類など甘みのある数多くの加工食品に含まれています。白砂糖(蔗糖)も分解されるとフルクトースとグルコース(ブドウ糖)に分解されますから、スーパーなどで売られている加工食品のほとんどにAGEsのリスクがあると考えてもいいでしょう。
2010年のチリ大学の研究では、新生児の血液中のAGEsが母親とほぼ同レベルになることが報告されました。これは、加工食品を常食している母親の血液から胎児にAGEsが移行していることを示しています。新生児期の高レベルAGEsは、その子供が将来、糖尿病のような慢性炎症疾患に早期からかかりやすい条件となるので注意が必要でしょう。
これに関連して、乳児用ミルク(特殊調製粉乳)の成分の50%近くは砂糖であり、しかもブドウ果糖液糖が豊富に含まれています。これを高温で加工して飲ませているわけですから、どれほどのAGEsを摂取することになるのか……。栄養や免疫だけでなくAGEsの観点からも、母乳育児がきわめて重要になってくるわけです。
(「間違いだらけの食事健康法」)
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