●高温加熱調理はなぜ問題になるのか?
食材選びの次に重要になってくるのは、調理法です。良質の食材が手に入れられたとしても、調理法一つで体に害をなすものに変化する場合もあります。どんな点に注意して調理すればいいのでしょうか?
(中略)
食べ物を高温で加熱調理すると、糖とタンパク質が結びつくメイラード反応によって「終末糖化産物」(AGEs)が生成されます。
AGEsは体内でつねに生成されるものですが、食事の内容によって増大し、血液中に多量にめぐるようになると、皮膚などのタンパク質組織(コラーゲン繊維など)が硬化したり、細胞の受容体と結びついて慢性炎症を引き起こしたりするようになります。
また、細胞内のタンパク質にくっつき、その正常な構造や機能を変えてしまうこともあります。その結果、免疫系から「異物」(内なる敵)と見なされ、攻撃(自己免疫反応)を受けることになります。
こうした問題を引き起こすAGEsの蓄積が増えてくると、メタボリック・シンドローム(Ⅱ型糖尿病、高血圧、心臓血管疾患)、脳卒中、腎不全、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー、自己免疫疾患、ガン、白内障、網膜変性症、胃腸障害など、多数の慢性病の要因になることが分かっています。
これに加え、AGEsには老化を促進させる作用があることでも注目されています。ネズミを用いた研究では、AGEsの少ないエサで育ったネズミは、カロリー制限食と同様に寿命を延ばしています。カロリー制限自体がAGEsの蓄積を減少させるため、寿命を延長できるのは当然の結果かもしれません。
(「間違いだらけの食事健康法」)
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