砂糖とリーキーガット、カンジダ菌

●砂糖とリーキーガット、カンジダ菌

 

砂糖の過剰摂取が招く怖い病態として、腸カンジダという病気があります。

 

腸カンジダは腸管内でのカンジダ菌の異常増殖によって起こります。カンジダ菌とは、真菌(Fungi)の仲間であり、カビやキノコの仲間です。そのため、カンジダ菌は、イースト菌とか酵母菌などといわれたりまします。一般的な細菌(Bacteria)とは、違う種類です。

 

カンジダ菌は基本的に腸内にいる常在菌の一つであり、他の菌と共存している分には特に問題にはなりません。しかしカンジダ菌が小腸で異常増殖すると、腸カンジダという病気になります。

 

このカンジダ菌は砂糖が大好きなので、砂糖の過剰摂取がカンジダ菌の異常増殖を引き起こします。腸カンジダになると、小腸の粘膜に慢性炎症が起こります。小腸で炎症が起こると、免疫機構がうまく働かなくなり、免疫低下や免疫機構の破たんへとつながってしまいます。

 

また、小腸の微絨毛粘膜は、体に必要な栄養素を吸収するという役割を持っています。糖質なら単糖、タンパク質ならアミノ酸、脂質ならモノアシルグリセロールと脂肪酸の形にまで小さくなったものだけを吸収しまています。しかし小腸粘膜に炎症が起こると、大きい分子のままでも体内に入ってきてしまうようになります。これを、リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)といいます。

 

リーキーガット症候群になると、本来人間の体に入ってこないはずの抗原性を持つ高分子化合物まで体内に入り込んでくるようになり、正常な免疫機構が狂ってしまいます。これによってアレルギーや自己免疫性疾患などが起こってしまうのです。特に消化管の機能が未発達な小児がリーキーガット症候群になると、アトピーやアレルギー、喘息など、多様な症状が現れます。さまざまな食べものに対する遅延型フードアレルギー、自閉症やADHD、学習障害(LD)などの自閉症スペクトラムでは、腸カンジダの頻度が高いことがわかっています。

 

このように砂糖の過剰摂取は、さまざまな面から腸管免疫に悪影響を与え、免疫低下や免疫機構の破たんを引き起こします。ですから砂糖はむし歯の原因となるだけではなく、歯周病の原因ともなる非常に怖い物質なのです。さらに砂糖の過剰摂取が継続し、低血糖症が進行すると、糖尿病へと発展してしまいます。

(「歯医者が虫歯を作ってる」)

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