確かに、きっぱり糖質をやめてみた方が、わかりやすいかもしれない。
●マイルドな糖質制限より主食抜き
次のふたつの内容がどのように違うのか、ちょっと考えてみてください。
①一日3食とも糖質を摂取するが、それぞれの量を以前の3分の2に減らした食事。
②一日3食のうち1食を、完全に糖質抜きにした食事。
単純に計算すれば、どちらも一日の糖質摂取量は以前の3分の2。つまり、以前の糖質比率が60%だったと仮定すれば、減らした後には40%になっている計算です。
……両者は同じものでしょうか?
答えはノー。どちらも40%ですが、内容がまるで違うのです。
②の人は、糖質制限を日本に広めた江部康二先生のプログラムでいう「プチ糖質制限」です。夕食が主食抜きになりますから、夜7時頃から翌朝7時頃まで、約12時間にわたって糖質の摂取がありません。半日の間、膵臓はお休みです。
対して、①の人は一日に3回糖質をとります。すると当然、インスリンを分泌するため膵臓は一日中フル稼働です。仮に総摂取カロリーを2000キロカロリーとすると、40%は800キロカロリー、コンビニのおにぎりにして、およそ5個分です。その糖質量は約180グラムですから、かなりの大量摂取です。
もとが60%と高いので、3分の2の40%にすると「マイルドな糖質制限」とはいえそうです。ところが実際には、40%程度では糖質制限ではないばかりか、かなりの高糖質食。それではインスリンが一日中とめどなく分泌されることになるので、糖質を制限するメリットがほとんど得られません。
糖質制限が語られるとき、しばしば「マイルドな糖質制限」や「ゆるい糖質制限」という表現を聞くことがありますが、以上の点には十分に気をつけてください。私たちが、「糖質を制限する」という引き算の語り口ではなく、「肉・卵・チーズをたっぷり食べる」という足し算の表現を選択している理由のひとつが、ここにあります。
(「日本人だからこそ「ご飯」を食べるな」)
コメントをお書きください