●だから砂糖がやめられない
糖質には身体的依存と精神的依存があり、特に甘みの強い糖質である砂糖では、この依存が重篤になる危険性があります。また、ドーパミンD₂受容体は依存性を引き起こすすべての物質に関わっていますから、砂糖依存になると、他の依存性を持つ物質(たばこやアルコール、ドラッグ、向精神薬など)にも依存しやすくなります。これを「相互依存」と呼びます。
砂糖の過剰摂取は低血糖症や糖尿病の発症の原因となります。そしてさらにはガンや脳卒中、心筋梗塞、高血圧、高脂血症、腎臓病、脂肪肝などさまざまな慢性疾患の発症や憎悪の因子でもあります。歯科においては、むし歯はもちろん歯周病の発症や進行とも関係しています。糖質の過剰摂取がある親から生まれた子どもは、先天障害や発育異常が起こりやすく、歯科においても当然、不正咬合になるリスクが高くなります。
砂糖の害を語るうえで最重要な知識は、この低血糖症との関係です。そして低血糖症を知ることで、砂糖が引き起こすむし歯以外の歯科疾患、すなわち歯周病や不正咬合の原因も理解することができるのです。
このように砂糖の過剰摂取によって低血糖症となると、血糖値調節機能が乱れることで心身ともにさまざまな症状が現れ、中には非常に重篤な状態となる場合もあります。ですから砂糖はまさに「万病の元」なのです。
このメカニズムを知れば、砂糖は単なる嗜好品とは思えなくなるはずです。砂糖は立派な麻薬です。ですからむし歯は砂糖という麻薬中毒の症状として現れる疾患であると捉えるべきなのです。
(「歯医者が虫歯を作ってる」)
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