●そのイライラ、原因は腸内細菌不足かも!?
1497年ポルトガルのパスコ・ダ・ガマが喜望峰を回りインド洋への航海路を見つけました。その間多くの船員が歯茎から出血したり膝から上に広がる黒アザができるなど、原因不明の病気で160名中100名ほど死んでしまいました。その後、その病気の原因を調べた結果、ビタミンCの欠乏で壊血病という病気になっていることがわかりました。
この事件がビタミンBとCの発見のきっかけとなったのです。動物はもともとビタミンBとCを食物から摂らなくても自分の体内で作り出すことができたのです。しかしヒトは進化の過程の中で果物や野菜などを豊富に食べられる環境にあったため、ビタミンBやCを体内で合成する必要がなくなったのでしょう。体内でビタミンCを合成できないのはヒトとサルとモルモットだけなのです。
船乗りたちがビタミンBやCの不足に陥ったのは、それらを含んだ食品を摂らなかったということ以外に、腸内細菌の不足があったからだと私は考えています。船乗りたちは保存食や缶詰ばかり食べているので、腸内細菌が十分に育たなかったことが原因だと思います。
東北大学の木村修一教授の研究によると、腸内細菌によるビタミンB群の合成は、腸内細菌の餌であるセルロースの添加によって大幅に増強されるとあります。ビタミンは食べ物から吸収するよりも、腸内細菌によるビタミン合成のほうがずっと重要なのです。
外国などに旅行してしばらくすると、普段食べていたものが食べられないことにイライラしてくることを多く経験します。それは食べ物や環境の変化で腸内細菌が数を減らしてバランスを崩した結果、ビタミン類の不足が起きたことが根底にあると思われます。
ビタミンBの不足で脚気が、ビタミンCの不足で壊血病が確かに起こりますが、多くのビタミンが脳内伝達物質の合成に関わっています。それらのビタミンを腸内細菌が合成しているのです。腸内細菌が不足すると脳内伝達物質が欠乏し、イライラしてくるというわけです。腸内細菌がビタミンを合成し、そのビタミンが脳内伝達物質を合成します。
脳内の幸せ物質と呼ばれるセロトニンや、やる気を起こすドーパミンは、たんぱく質の分解産物であるトリプトファンとフェニルアラニンによって腸内で合成されます。たんぱく質の分解にはビタミンCが必要です。トリプトファンやフェニルアラニンなどのアミノ酸からセロトニンやドーパミンを合成するためには、葉酸やナイアシン、ビタミンB₆といったビタミン類が必要です。これらのビタミン類は私たちの体内では合成できません。腸内細菌が作っているのです。腸内細菌がバランスよく、数多く存在しないと、幸せ物質であるセロトニンとやる気物質であるドーパミンが不足し、うつ状態になったりイライラしたりするのです。
(「脳はバカ、腸はかしこい」)
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Monet Beene (木曜日, 02 2月 2017 01:12)
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