安息香酸Naが醤油でも使われている場合がある。
●中小醤油メーカーの製品には合成保存料が含まれていることも
地方の中小醤油メーカーの製品には、腐敗するのを防ぐために、合成保存料の安息香酸ナトリウム(Na)が添加された製品があるのですが、これには、2つの問題があります。
まずひとつは、毒性が強いということです。安息香酸Naを5%含むえさでラットを4週間飼育した実験では、すべてが過敏状態、尿失禁、けいれんなど起こして死亡しました。
しょうゆの場合、安息香酸Naの添加できる量は、1kg当たり0.6g(安息香酸として)です。したがって、製品に含まれる量は最大で0.06%と少ないのですが、動物実験でもわかるように毒性が強いので、胃や腸などの細胞に影響がないのか懸念されるのです。ですから、このような製品を毎日使うのはやめたほうがよいでしょう。
さらに、安息香酸Naは、ある栄養素と化学反応を起こして、発がん物質になることがあるのです。その栄養素とは、ビタミンCです。それと反応して、第1章で解説したベンゼンに変化するのです。
実際に2003年にイギリスで、安息香酸(安息香酸Naは、安息香酸にNa=ナトリウムを結合させたもの)とビタミンCが添加された飲料からベンゼンが検出されたため、製品を回収するという騒ぎが起こりました。
実は安息香酸Naとベンゼンは、化学構造が似ているのです。ベンゼン核に-COONaが結びついたのが、安息香酸Naなのです。ですから、何かが安息香酸Naに作用して、-COONaが取れてしまえば、ベンゼンになってしまいます。したがって、安息香酸Naが添加された飲料には、ベンゼンができている可能性があるのです。
しょうゆは毎日使うものなので、その中に微量とはいえ発がん物質が含まれているとなると、その影響は大きいことになります。ですから、安息香酸Naが添加された製品は使わないほうが無難です。
なお、しょうゆには、安息香酸Naのほかに、合成保存料のパラオキシ安息香酸塩が使われることもありますが、これもベンゼン核をひとつもつ化学物質で、やはり何らかの影響でベンゼンになる可能性は否定できません。したがって、これが添加された製品も使わないほうが無難です。
(「がんになる29の添加物を食べずに生きる方法」)
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