●若い人ほど放射線の影響を受けやすい
がんのおもな原因は、放射線、ウイルス、化学物質であることがわかっています。それらが遺伝子を破壊したり、変形させたりするなどして突然変異を起こし、その結果、細胞ががん化するのです。
放射線ががんを起こすことは、広島や長崎で原爆によって被曝した人を調査することで明らかになっています。被曝した人の中から早い時期に白血病の患者が出ました。
また、そのほかの人でも、高齢化してがん年齢になった時に、被曝しなかった人よりも高い割合でがんになっていることがわかっています。透過した放射線によって、遺伝子が破壊されて突然変異を起こし、細胞ががん化すると考えられています。
白血病は、血液を作る組織が腫瘍化し、病的な血球(白血病細胞)が現われて、肝臓や脾臓、腎臓などのおもな臓器に白血病細胞が入り込み、さらに出血や感染などを起こして、死にいたることもある病気です。
原爆被爆者の健康影響を日米共同で調査している放射線影響研究所では、原爆被爆者12万人を対象に1950年から追跡調査を行ないました。その結果、200ミリシーベルト(シーベルトは、放射線の人体への影響度を表わす単位)以上の放射線を受けた場合、線量が増えるにしたがってがんになる人が増えることがはっきりわかったのです。
白血病の発生は、被曝後5年から10年くらいの時がもっとも高く、その後は時間の経過とともに低くなっていきます。また、被曝の年齢が若い人ほど白血病になる割合が高くなっています。それだけ若い人は放射線の影響を受けやすいということでしょう。
広島と長崎の調査では、乳がん、甲状腺がん、消火器(食道、結腸、胃、肝臓)のがん、肺がん、卵巣がん、皮膚がん、膀胱がんなどについて、高線量の場合、放射線量に比例してがん発生が増加しています。線量に比例しているということは、放射線が原因であることはまず間違いないということです。なお、これらのがんの増加は、被曝してから10年目くらいから始まって、今も続いているといいます。
(「がんになる29の添加物を食べずに生きる方法」)
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